審査員を務めて感じた「強さだけでは伝わらない」ということ
講師の想い
2026.7.27
『第5回東京国際管・弦・声楽コンクール』【声楽部門・ミュージカル部門】の審査員として、昨日は静岡予選会場で出場者の皆さんの審査を担当させていただきました。





どの方もレベルが高く、それぞれに魅力あふれるパフォーマンスでした。
・歌声が美しい方。
・ 発音が丁寧な方。
・ 振り付けや表現を工夫されている方。
本当に素晴らしかったです。
その一方で、多くの方に共通して感じたことがありました。
それは、緩急(ダイナミクス)が少なく、物語が伝わりにくかったことです。
多くの方は「強く歌うこと」や「迫力があること」が、技術の高さや良い歌声につながると思われがちです。
しかし、私はそうは思いません。
弱さもまた、大切な表現の一つです。
すべての曲には物語があります。
物語には始まりがあり、感情があり、そしてクライマックスがあります。
もし最初から全力で歌ってしまったら、一番伝えたい場面をどう表現するのでしょうか。
だからこそ、最初の「助走」が大切なのです。
弱さがあるからこそ、強さが活きる
静かな場面があるからこそ、感情の高まりがより印象的になります。
今回は声楽・ミュージカル部門であり、
私が普段指導しているマイクを使ったパフォーマンスとは少し異なる世界でした。
それでも、表現の本質は同じだと改めて感じました。
強さだけが大切なのではない。
その想いを、今回の審査を通して改めて実感しました。
そして、緩急のある表現をするためには、もちろん「強さ」も必要です。
その強さを支えるのは、安定した身体の使い方です。
体幹が安定し、重心が整っているからこそ、必要な場面でしっかりとした声が出せます。
だから私は、生徒の皆さんにも、表現だけでなく「身体づくり」を大切にお伝えしています。
表現は、技術だけではありません。
身体・心・声、この3つがそろって初めて、
人の心に届く表現になるのだと、改めて感じた一日となりました。
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